湯の川温泉経由の立待岬

 地球の裏の芝コート熱戦も本日は休戦日みたいである。思えばウインブルドン並みで、我らの早朝テニスも月曜は休養日。この歳になるとその有り難さは身にしみるが、そんな朝はしかし何とも身の置き所がない。そこでいつも谷地頭温泉となるのだが、しかし民間化のご一新でわが谷地頭リゾートは改装工事の休館中だ。そこで閃いたのが湯の川M仙旅館の老体にやさしいマッタリ湯である。 函館山裾から湯の川までは大森浜沿いの一本道だ。夕刻にはこの道を観光客満載バスが続々函館山を目指すけれど、今朝は逆で、ボロボロ関節や筋肉を抱えた店主が年代もの軽スバルで湯の川温泉を目指す。しかしだ、何と言う事、出てきた大女将「たった今、お湯を抜いてしまったのよ」だってさ。

 そこで戻っちゃオトコが廃る...というほどのオトコじゃないが、とにかく次なる道筋に浮かんだのが銭湯「永寿湯」だ。朝湯会という良き伝統があるのを思い出したが、今も健在かいささか不安、だが行ってみたら熱い湯に磨かれた男女が出てきたところだ。一安心の店主、番台に420円払って脱いで戸を開けて明るい湯部屋に入ると先客がひとり、当たり前だが裸で和んでおいでだった。

 片足そろりで永寿湯の熱さの記憶が蘇った。澄明でしかし熱く、世界遺産でもある「本栖湖入れ込み富士山ペンキ絵画」を睨みながら刺す様な熱に耐えた。ひと仕事終えた漁師たちにとってこの熱さは至福なんだろうが、やわな遠征店主には結構な苦行だ。流れ落ちる苦悶の汗をおさめるため店主はいつもの如く立待岬目指したが、岬からの湯の川は濃い霧の彼方だった。

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