2013年8月アーカイブ

石戸谷サンとヤマメ

 石戸谷さんは札幌の生まれだ。ステンドグラスを学ぶ為にフランスに渡り、彼の地の美術工芸学校で6年過ごし技法やデザイン、歴史など本場ヨーロッパで学べる事は全て身に付けて帰国、現在は札幌圏の江別市に工房を構えている。工芸の世界には「技術が表現を自由にする」という言葉がある。感動を姿形に置き換えるのが技術で、優れた工芸作品はすべて優れた技術の結果と言ってよい。そんなわけで石戸谷さんの技術は本場ヨーロッパ仕込みの本格派、とりわけフッ酸を利用した彼の絵付けは世界的な評価を受けている。
 今朝5時、その石戸谷さんがギャラリーにやってきた、作品入れ替えのためだが、実はその前にヤマメ釣りに出かける約束なのだ。寝ぼけ眼の店主は釣り具一式ともども工芸家の車に拾われ、いつもの茂辺地川へと向かう。たっぷり降った雨の後だから心配もあったが、着いてみたら水量は多めでも意外に濁りは少ない、ヤマメ達には勿論釣り師にとっても大変悦ばしいコンデイションだ。釣り上ったり、また下ったりして陽射しが強まるまでおよそ3時間遊び、店主は7匹、作家は1匹のヤマメを釣った。店主の7匹は店番の忍耐に希望を与え、作家の一匹からは美しい作品が導きだされる。
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そろそろ秋の気配が...

 さしもの熱夏も一段落したようなここ函館だ。夜間は窓全開で寝てるのだが、ときおり流れ込むそよ風には秋の予兆が混じってきた。夜中じゅう30度以上という、そんな本州都市部の方々には申し訳ない気がするけれど、そんな肌寒さに目覚めてデジカメ持参の深夜散策と相成った。画像はギャラリー横の坂道から見上げたもので、月と街路灯との間に函館山山頂の灯りが微かに写っている。 
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新発売「海辺帆布」

でっかい!軽い!防水!
海辺帆布は海辺の街葉山と函館から発進する袋物。葉山「ウスタニミホの店」と函館「ギャラリー村岡」でこの夏から発売中。
今までありそうで無かったSimple,Light,Brightなバッグで、使用する帆布はヨット帆などに使用するハイテク素材。アメリカ製ですがUVカットの防水防汚加工、通気性があり経年による退色ひび割れ黴腐食などがありません。手縫いの一品作品だが、しかし洗濯だって拭き取るかザバッと水に流しておしまいという優れた使い勝手が魅力。

...という作品がギャラリーに並んでいる。試作品が並んだ程度だがあっという間に売れて、現在残ってるのがこれだけ。作家のウスタニミホさんは売れっ子テキスタイルデザイナーだから当然と言えば当然だが「使い勝手の良い」バッグを粋に抱え、港町散策を楽しんで欲しいと思っている。
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変えるエネルギーを...

 文芸春秋、いわゆる文春だ。菊池寛が創立者だったというのは意外に知られてないが、言論界に大きな実績を遺してきた出版社である。月刊週刊それぞれあるが、とにかく活字とグラビアで我が国の世論中核を形成してきたのは間違いない。
 その文春の写真部門を長く担当してきたのがT田さんである。数十年も昔、店主は新宿ゴールデン街で「一飲」の恩義がある。当時から長身のごま塩短髪という風貌なのだが、ほとんどそのままで何と函館元町の甘みどころ「菊」さんでばったり出合った。奥様のアヤチャンもご一緒、歯に衣着せぬ正論で世間に向き合ってきた才女で、こちらは紛れも無い函館出身である。聞けばご主人定年を迎え、アヤチャンの故郷を定住地にしたとのこと。それぞれ仲間が一緒だったのでその時は再会を祝しただけだったが、ほどなく夫妻はギャラリーを訪ねてくれた。文芸春秋定年退職記念写真集「Chance」をいただいたが、T田さんが出合ったクロサワや若乃花や田中角栄や五島昇や堤義明やショーンコネリーや三島由紀夫などなどを正面から捉えた昭和の人物写真傑作集である。文春を彩った人達であり評価もいろいろあるがこの時代のこの国をリードしてたオトコ達がレンズの向こう側でひかり輝いてた。
 ついでながら...とT田さんが取り出したのが二冊の文芸春秋だ。見ればサイズが異なる最近号。どうやら二種は同時発売されていて「そのどちらが支持されるか」を会社上げて調査してるらしい。内容はまったく同じで、サイズとオネダンが少々大きくなったわけで、そんなこと社内で決めればよろしかろうにとは思うがそこはニッポンの国民的総合誌たるところ、国民の意志を尊重しようというわけか。何だか先日の困った参議院選挙を思い出したが、「変えない精神と変えるエネルギー」なら後者を選びたいとご返事申し上げた。
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伊藤祐典くんへ「一飯」

 これは昨日の事だが、一人の青年がギャラリーに立ち寄ってくれた。大沼のセミナーハウスに一緒する予定のN子さんが、来る途中で知り合いつれてきた自転車旅行中の青年である。予定時間が迫っていたので残念ながらその見聞録を聞き漏らしたが、一宿はともかくとして簡単な食事でもてなし、生国は埼玉ひじみ野市に生を受け姓名の義は伊藤祐典と発しまする...という彼の基本情報を知る事が出来た。地球を股に自転車周遊という、今の店主には夢にも思いつかない行動を実践してるらしく、それもトラデショナルな旅装束コスチュームからなかなかな根性青年とお見受けした。これから北海道を巡ると聞いたが、誰かこの自転車旅ガラス青年に出会う事があったらじっくりとその壮図を祝して頂きたい。
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新規店主ブログはじまりはじまり

  店主ブログ一か月お休みした。怪しき訪問者に狼藉を尽くされ、止むなく中断せざるを得なかった次第。その間函館では花火大会が二度あったし、緑の島野外ステージでグレイの帰郷公演もあった。店主は洞爺湖の果樹園を訪ねたり、茂辺地川に二度ほどヤマメ釣りに行ったりしてたわけだが思えば少し早めの夏休みだったかもしれない。もちろん小笠原み蔵さんの木彫展はじめ仕事の方だって真面目に取り組んでおりました。
  今朝のことだがサッポロのG藤さんから電話があった。店主ブログで函館の気配を観測くださってるお一人なのだが、余りにも長期なブログ休業で「あるいは...?」と安否をたずねてくれたらしい。そしてそのすぐ後、わが師Tムラくんから新規ブログ準備が整った旨メールが届いたのだ。そんなわけでまた皆様に店主jirojiro報告をお届けできる運びになりました。休み癖がついてしまい、またまた中短様々な休暇もいただくかもしれないけれど、従来通りのご愛顧を賜われますように宜しくお願い申し上げます。
 画像は茂辺地川に出向いた朝の矢不来海岸あたりから望む函館。
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