変えるエネルギーを...

 文芸春秋、いわゆる文春だ。菊池寛が創立者だったというのは意外に知られてないが、言論界に大きな実績を遺してきた出版社である。月刊週刊それぞれあるが、とにかく活字とグラビアで我が国の世論中核を形成してきたのは間違いない。
 その文春の写真部門を長く担当してきたのがT田さんである。数十年も昔、店主は新宿ゴールデン街で「一飲」の恩義がある。当時から長身のごま塩短髪という風貌なのだが、ほとんどそのままで何と函館元町の甘みどころ「菊」さんでばったり出合った。奥様のアヤチャンもご一緒、歯に衣着せぬ正論で世間に向き合ってきた才女で、こちらは紛れも無い函館出身である。聞けばご主人定年を迎え、アヤチャンの故郷を定住地にしたとのこと。それぞれ仲間が一緒だったのでその時は再会を祝しただけだったが、ほどなく夫妻はギャラリーを訪ねてくれた。文芸春秋定年退職記念写真集「Chance」をいただいたが、T田さんが出合ったクロサワや若乃花や田中角栄や五島昇や堤義明やショーンコネリーや三島由紀夫などなどを正面から捉えた昭和の人物写真傑作集である。文春を彩った人達であり評価もいろいろあるがこの時代のこの国をリードしてたオトコ達がレンズの向こう側でひかり輝いてた。
 ついでながら...とT田さんが取り出したのが二冊の文芸春秋だ。見ればサイズが異なる最近号。どうやら二種は同時発売されていて「そのどちらが支持されるか」を会社上げて調査してるらしい。内容はまったく同じで、サイズとオネダンが少々大きくなったわけで、そんなこと社内で決めればよろしかろうにとは思うがそこはニッポンの国民的総合誌たるところ、国民の意志を尊重しようというわけか。何だか先日の困った参議院選挙を思い出したが、「変えない精神と変えるエネルギー」なら後者を選びたいとご返事申し上げた。
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