2013年9月アーカイブ

初見、二題

 深まり行く秋、読書に精出してる。このところ欠かさず繙いてるのは「シートン先生の動物記」だ。世間に名高い名著なのだが、恥ずかしい事に長い人生で実際に読むのは初めてである。それというのも実はエマちゃんが翻訳者である谷村志穂さんから頂いたサイン入り3冊本で、それを夜な夜な読み聞かせしてる次第。
 これは昨夕の事だがギャラリーに珍客が来訪した。両手に研ぎすました凶器を携え、玄関脇のガラス越しに内部を伺っていたのを発見した。開催中である山崎義郎さんがアイヌに対するオマージュとして制作したタシロやマキリ作品展に興味をもったらしく、小さいけれど真剣そうな目をあちこち動かしながら両手の鎌と見比べしてる様子だった。ギャラリー店主、姿形からカマキリと判断したが、これまたその実物を見るのは初めての事。たくさんの歳をとったけれど人生初めてというのは意外に多い。
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月が綺麗な...

 全国各地で沢山の人が見上げたであろう今夜の名月、ここ函館でもそれはそれは見事なものでありました。古来より一点の曇り無いその完全な姿を見上げては、ヒトもオオカミも心ふるわせてきたわけだが、かってタナボタで総理の座を手に入れながら「明鏡止水の心境です」と心境を披露したのが宇野宗佑さんだ。芸者スキャンダルがバレて数ヶ月で無念の退場となるわけだけれど、オオカミならまだしも、ヒト、それも政治家ごときが言っちゃならないセリフだとつくずく思う。弱みを沢山抱える我ら、せめて、そんなセリフでキメてみたくなる気分も分からなくはないけれど、。
 画像は満月の下の函館だ。はるか海峡の満ち潮も月光を載せて輝き、見上げれば夜間飛行のジェット機が月を掠めて北を目指していた。
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お見舞い申し上げます

 ...だからといってこちらが被害皆無だったわけじゃない、台風18号の影響はここだって受けてる。ただ河川氾濫や土砂崩れという古典的な災害がなかったというだけで、日本全体が高密度に組織化された現代、部分に何かあればその影響は可及的に全体に及ぶ。「風が吹けば桶屋が儲かる」「蝶の一飛びが地球の気候を変える」の類いに近いけれど、一触即発という言葉が現実味を帯びて迫って来る。「90年に一度」という些か理解に苦しむ台風の被害報道を見てると、庭木の一本くらい吹き倒されなきゃ申し訳ない気がしてくるけれど、こんな時代のお見舞いは被害の少なかった方が大きい方に伝える儀式の一種にも思えて来る。900シーベルトの被害者が1000シーベルトの被害者に向かって「お気の毒に」と言うように...
 とにかく今夕の函館元町の空はこんな具合だ。夕焼けが美しいと翌日は晴れるそうだ。
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緑の島で

 この夏、函館出身ロックバンドが五万人の観客を集めた緑の島だ、港の中に目的なく造成して30年にもなるけれど、彼ら函館から飛躍した音楽家たちのお陰でやっと面目がたったと言える。幾人かの友人知人もそのために来函してたが、当日は生憎の土砂降り天気で、きっと皆さん全身ずぶぬれでの音楽鑑賞だったに違いない。あれから一か月になるが、今はもう元の静かな空間に戻り、広い芝生のあちこちに露出してる地肌だけが真夏の熱狂を静かに物語ってる。
 これは恒例...と言ってもまだ三度目だが、エマちゃんも里帰り中だ。こちらは長期滞在なのだが、日々に変化するその言動を見てると成長類ホモサピエンスが実感される。店主、困った時代に生きるしかないワカモノに対する罪滅ぼしか、こうしてあちこちを連れ歩く毎日である。
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