今年も晴れた

 連休中の函館だが空模様がよろしくないし、気温も低い。道行く観光客も厚いコートを着用して冬期臨戦の態勢だ。幾重にも着膨れたせいでその財布は持ち主の奥深くにしまい込まれ、店主の切なる期待とは裏腹にその収納物は逃げ水の如く遠のくばかり。その上、世情は原発汚染水垂れ流しやらTPPや消費税に加えてJR北海道事故連発やアメリカ政府の経済破綻問題など気の滅入るハナシばかりだ。口にこそ出さぬけれど誰しも所謂ハルマゲドンの恐怖が脳裏をかすめてるに違いない。
 しかし今朝の天気は上々だった。抜ける様な青空が広がり、無風で気温もぬくぬくである。気がつけば本日はご近所ロシア教会のバザーだ、ギャラリー開店の時間だが店主エマちゃんお供で出かける事にする。白亜の教会は陽射しを浴びて輝いており、緑の木々の間に張られた白テントでは焼きそばやフランクフルトや地元野菜やボルシチやピロシキが並び、多くの善男善女の笑顔が行き交っている。信徒会館に入ると鐘つき陶芸家の高井秀樹さんが作品を前に立っている。白磁の飯茶碗など買い求め、さらに奥に進むとそこは教会の宝物の展示コーナーだ。黒衣黒帽正装姿のニコライ・ドミートリエフ司祭がおいでになり、これまたにこやかに「この二十年、バザーの日は必ず晴れてまーす」とか仰る。そして司祭は展示物である一本のキャンドルをエマちゃんに手渡し「神様からの贈り物でーす」という成り行き。見ればロシア正教十字架などが金色で装飾されたビーズワックスと思しき逸品。エマちゃんがその有り難さに気ずく前に取り上げたが、それはギャラリー一角に有り難くデイスプレイされ、その霊験あらかた、さっそく長野の函館市民廣田夫妻や、テニスとアートの女神M本さんなどを招き寄せる事になるのでありました。
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