2013年12月アーカイブ

もうすぐX'mas

 いつも静かなギャラリーだが、連休ともなればそれなりに忙しい思いをする。しかし夕刻になればいつもの如く店主孤独の世界だ。そこでこの時期の重要案件、年賀状の宛名書き作業となる。正月にいただいた年賀状の束を取り出して返信する要領なのだが、記されたメッセージなどあらためて読み込んでしまう。とりわけ手書き文字でびっしり記された賀状はうれしいもの、そのどれもを一度は目を通してる筈だが読むととても新鮮で、届いたばかりのような気分になる。
 岩手にお住まいの同じ性の方から(親戚筋ではない)の賀状もその一枚で、丁寧な文字でこうあった。...ブログ拝見してますが、特にクリスマスの風景は素敵ですね...。
 店主、宛名書き中断し、オットリカメラでモノしてきたのがこの画像だ。ギャラリー横の坂を上って最初はヨハネ教会、ついでカトリックに立寄りハリストスへというコースである。およそ5分、ほとんど一筆書きの様に巡る事が出来るのである。
 ハリストスの境内に着いたのが午後6時で、ベイサイドのクリスマスファンタジー会場では花火が打ち上がる時刻だった。そんなわけで本日の画像は二枚だ、どこからどんな方向に向かってシャッター切ったか分かってもらえるだろうか。DSC_7287.jpgDSC_7339.jpg

怒れば変わる

 毎度雪だるま話題で恐縮だが、大阪に住む知人から「ブログのスノーマンに癒されました...」というメールを頂いた。きっと「国会議員に対する怒り心頭ダルマ」の事だと思うが、今回の特定秘密事件に対する怒りの火が全国で燃え盛ってるのを実感した。
 議員は民意を知るのに謙虚であるべきだと思うし、当然その対応だって誠実であらねばならない。選挙公約でひと言も触れずに美辞麗句を並べ、過半数を手にした途端火事場泥棒的に国民の基本権利を奪い去ったわけで、食品偽装どころの話ではなく確信的政治詐欺犯だろう。加担した議員たちの名前と罪深さは永久に歴史に残る。自分に降りかかる火の粉だと気付いたときには後の祭りなのだヨ、過去に学べ、未来を夢見ようと言いたいナ。
 画像はスノーマン3号と、隣は新人「となりのトトロ」、怒りの炎で溶けつつある。
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大荒れ元町...

 全国的に大荒れらしい。用事でお隣さんであるヨハネ教会まで行ったら牧師夫妻に「帰りみち気をつけてくださいよ」などと言われてしまった。大げさかとは思ったけれど、しかし眼も開けられないくらいの雪つぶてが襲って来る。道行く観光客も急ぎ足で、つむじ風に乗って現れ、雪つぶてとともに消えたりしてる。
 画像にスノーマン3号の姿が見えるが、これは今朝、小雨混じりの湿雪をかき集めて作ったもの。初期のものに比べると姿形は格段に進歩してるはずで、台湾や香港あたりのデジカメにおさまって南国に持ち帰られる人気者ゆえ、手抜きは許されないのであります。
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元町に集った...

 画像はウスタニ・ミホさんが制作したバッグだ。素材はスエーデンのヴィンテージプリントやスコットランドのハリスツイードや手紡アルパカなど、ウスタニさんが世界を巡って収集してきたお宝布地だ。無論それらに墨や柿渋、藍のウスタニ染めが加わるわけで作品は言わば時と所を越えたを工芸家たちのコラボレーションなのだ。
 毎年この時期ここでは「元町に集ったメリークリスマス工芸品たち展」というのを開催してる。ウスタニさんは今年初めての参加だが、近所の遺愛幼稚園で育った山本睦子さんがフィンランドで学んできたHIMMELIや、ベルギーのアールヌーボーレースやケルト模様をモデルにした向田通子さんのパーチメントクラフト、小坂井順子さんのキャンドルなどを展示販売している。昨年のクリスマス翌日、ギャラリー内部をガラス越しに覗いてたフィンランド青年が実はサンタクロースだったわけで、元町のギャラリーには世界から役者が集うのである。あとは厚い財布を所有する神様の到来を待つだけだ。
「元町に集ったメリークリスマス工芸品たち展」
会期 12月26日まで
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No!

 「ついに」なのか、あるいは「矢張り」なのか、とにかく「とうとう」やってしまった。衆議院に続き、特定秘密保護法案が参議院でも強行採決されてしまった。マスメデイアも大きな扱いで報じてるから事の次第には触れないが、はっきりしたのは我が国の立法府は行政府の追認機関に成り下がったという事である。議院内閣制とはいえ国民の代理人であるのが国会議員のはずだ。その議員達が満足な討論もなく強行採決したりされたりするわけでこれでは行政府の言いなり状態、国会など不要じゃないか。もちろん党議拘束という現実はあろうがそれは個人に属する問題で、代議士の存在意義は選挙民の意思の反映にこそある。メデイア報道でも8割近くが反対してる特定秘密保護法案がなぜこうも易々と成立したかといえば、議員が「自分の生活を守る為に」選挙民を裏切ったからと言うしかない。歳費を返せ、恥を知れ。
今朝の函館は降雪でした。エマちゃん助手に制作したスノーマンも怒っております。
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今年の本

 今年読んだ本ベスト3のひとつが、ブライアン・フェイガン著「海を渡った人類の遥かな歴史」だ。イギリス生まれでヨット乗りでもある作者が、黒海や地中海はもちろんインド洋や南太平洋、アリューシャン海域などを自ら航海しつつ、ガレオン船やカタマランやバイダルカといった小舟で水平線の彼方に乗り出した古人を想い描いたもの。アフリカ大地溝帯で誕生した人類が、旺盛な人種分布活動で陸上を極め、次なる新大陸やオセアニア、あるいは太平洋にばらまかれた絶海の島々にまで至った様子が描かれている。
 生命の故郷は海だが、"板子一枚下の地獄"を覚悟して陸地を離れたのもまた彼らだ。そうした波頭の彼方に自らを駆り立てた理由というのが飢餓からの脱出であり、富や名誉追求など現世利益なのがよく分かった。そして「未知なるもの」を極めずにいられない我らヒト族の業のなせるワザでもあった。もちろんよくも悪くもだが...
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もう12月...

 とうとうというか何と言うか、とにかく今日から12月だ。いつもこの時期感じる事だが、一年経つのがとても早い。きっと日々雑用に追いまくられ、圧倒的に受け身な時間を過ごしてるせいなのだろう。早く来い来い...と、指折り数えて待ち焦がれたアレやらこれやらがイッパイあった頃が、思えばなんと幸せだったことか。
 二十軒坂や八幡坂の街路樹電飾が輝きを増し、午後6時になるとベイサイドあたりから花火が打ち上がる。この時期この街ではクリスマスファンタジーなるイベントが繰り広げられてる。港の一角、波間に浮かぶ巨大ツリーが売り物だが、黄昏せまる元町教会群を漫ろ歩くという方がはるかにヨロシイと店主は思っている。
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