2014年1月アーカイブ

朝の定点観測

 快晴無風の函館元町で近隣散策も久しぶりの晴れ晴れうきうき気分。昨日の全豪テニスは錦織選手がナンバーワンシードのナダルと大接戦、残念にも負けたけがその勇敢な闘い方に大きな拍手を送ったし、沖縄の名護市長選挙で市民は実に正しい選択をした。その成果に大きな尊敬の拍手を送りながらの店主散策となった。
 現政権は死に物狂いだった。恥も外聞もかなぐり捨てて札束を積み上げたが、名護市民はそれに靡く事なく明確な反対を表明した。どこでもそうだが、札束など必ず受け取り先が決まっていて市民国民にまで渡る事などまず無く、そしてここが肝心なのだが、金の切れ目が縁の切れ目で、札束攻勢などしょせん一過性のもの、決して自立の精神を育むものではない。そこに気がついた市民がいた事に大きな勇気をあたえられたそんな今朝の定点観測だった。
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サカナクションを育てた...

 見られなかった紅白のサカナクションを残念がったら、早速、大阪の同志からメールが届いた。そこには見舞いの言葉とともに「めちゃくちゃカッコ良かったですよ!」とあった。きっと多くの人の心に大きな何かを与えたであろう事を確信する。「結婚もせず仕事もせず音楽三枚の毎日を過ごす息子だったが、これで世間様に少しは言い訳ができるかも...」と父親がしみじみ語っていたけれど、実は、その両親の方だってなかなかの表現者なのだ。
 とりわけ父親の保さんの半生は、まさに真実一路だ。学生運動内ゲバでヨーロッパに脱出して、スエーデンのサーカス一座に潜り込んで巡った放浪記など、聞いてるだけでもワクワクするし、帰国しても妥協せずに社会と正面から向き合った彼の活動運動は市民運動家の語りぐさである。彼はまるで阿修羅のごとき工芸家なのだ。
 私事を公開できる立場じゃないのでほどほどにするが、ギャラリー店主としては作品を世間に広めるのが役割で、その阿修羅のごとき工芸家の制作した作品の一部を画像で紹介する。熱くて強い精神から生み出される作品は意外なほど「優しい」。
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定点観測

 久しぶりの定点観測地点、いるかビルからの函館遠望だ。時折激しく雪が降っていたが、それも止んで今はこれこの通り、大門や本町を越えて彼方の街までくっきりだ。マチの灯りが瞬き始めるのはこれからだが、空を見上げると正円に近い月が雲間から姿を現し、きっと今夜は月下に輝く雪景色のなかのハコダテが...見事だろうよ。
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森一鳳の開運招福

 ギャラリー入って正面部分に、正月デイスプレイとして掛け軸を使った。幕末に活躍した大阪の絵師 森一鳳(もりいっぽう)の「藻刈り舟」である。古色帯びた軸上には、蓑かさ姿の漁師が刈り取った藻を舟いっぱいに積み、漕ぎ行く様子が描かれている。当時の人気作家の人気シリーズだが、しかし店主思惑と異なり、来店者の注目を集めることは殆ど無い。
 家々から「床の間」が消えてしまった。掛け軸なども骨董屋でじっと好事家との出会いを待ち続けるだけの存在。ビッグネームは時折博物館のガラス檻越しに見るが、それとて歴史資料でしかなく、描き手が注いだ技や感動を体感する本来の観賞行為とは別ものだろう。時代の証文的存在で、何がどう描かれてるかに感慨が及ぶ事はまれである。
 その「藻刈り舟」だが、当時、大阪商人たちが挙って購入した。作品も相当数出回ったようで、多くの商家の床の間に飾られ、商売繁盛が希われたのだとか。それと言うのも「藻を刈る」と「一鳳」を合わせると「もうかる一方」となり、なんだか落語オチみたいだが、思えばそんな和やかな気風を愛した良き時代も目に浮かぶ。
 ここにある「藻を刈る一鳳」は、日本海経由で函館に運び込まれたものだ。北前船で財を成した名家に蔵されていたもので、故あってギャラリーに滞在中。新年の期待と抱負を心密かに願って(という割りに堂々としてるけれど)の登場と相成った次第。
 この地で藻と言えば昆布のことだ。献上昆布産地としても名声を馳せている。藻(昆布)を刈って儲けた人々も沢山いただろうし、それを集めて大阪に送り出した海産商の大きな儲けも想像するに難くない。一鳳画伯の儲かるアートは大阪のみならず、こうして日本海の荒波をかき分けて函館元町の小さなギャラリーの壁面へと辿り着いたのでありました。
 平成23年、大阪歴史博物館で「幕末の絵師 森一鳳展」が開催された。残念ながら拝観出来なかったが「藻刈り舟」が主役だったに違いない。作者が時代に迎合した絵師か、あるいは大阪気質をリードした表現者だったか気になる所だが、後に一鳳は、肥後熊本藩主お抱え絵師になってる。とすると熊本城にも「藻刈り舟」があり、元首相で今話題の細川殿下もそれを眺めて育った可能性もあるではないか。殿下は反原発を掲げて東京都知事選挙に立候補する様だが、「大間原発大間違い」を信じるギャラリー店主もその当選を心待ちする。東京だけが儲かる一方では困るけれど、国家じゃなくて地域が生き生きする事を願ったのが一鳳作品の神髄かもしれない。
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謹賀新年

 少し遅めだけれど、函館山の裾野に広がる歴史的町並みの一隅より、皆々様に新年のご挨拶を申し上げます。人生70年も重ねれば然したる感慨も湧かないのは仕方ないが、それより何より昨年暮れにひいた風邪がなかなかの強者で、結局年越しの寝正月になっていた。
 最近はまってる越前銘酒は多めに買い貯めしてあるし、紅白歌合戦に出場するという知人の息子を見るのも楽しみだ。それに年末恒例ボクシング3連発だって大変そそられる。そこで晦日夕刻、風邪など谷地頭温泉サウナで大量発汗すれば快癒するに違いないと出かけたのだが、しかしそれが失敗だった。結局、かすんで見えるテレビ画面横目に、黒龍でカズノコなど流し込んで早々と布団に潜り込んでしまった次第だ。
 であるから今年は年頭所感も初夢もなしである。願うとすればただただ国家的暴走のない事を祈るだけだ。そんな意味も含めて、ギャラリーは、新年正月「開運招福まねきねこ展」を開催した。役立たずというより詐欺師的でしかない凡百の政治家より遥かに有能な働きをした「正真正銘実績のある」まねき猫たちの出番というわけ。
 ついでながら、店主がテレビで見損ねたのは「さかなくしょん」のリーダー山口クンである。30年来の知人である木彫表札工芸家の子息である。父親の作品はギャラリーでいつも眺めてるけれど、もひとつの生きた作品を見そこねたわけで、どなたか彼の印象など知らせて頂けたらうれしい。ブログコメント欄は未だ運休中ですので、コメントいただける方はどうぞメールで直接  gmuraoka@ms6.ncv.ne.jp へお願いいたします。
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