梅里型木造建築 展

 生まれも現住所も盛岡なのだが、梅里進さんは函館東高校の出身だという。昨年暮れの吹雪の午後、彼は函館在の同級生二人に連れられてギャラリーにやってきた。同級生の方はギャラリーの顧客でもあり話は和やかかつスムーズに進み、作家は持参の木箱から次々に作品を取り出した。
 どれもが手のひらに収まるミニチュア建物である。三角屋根が軒を省略して壁に直に接してるのが梅里タイプの特徴だが、所々に施された緻密に彫刻された階段は作家の美学と執念を感じさせた。言われて小さな窓から内部を覗くと、中に色ガラスが取り付けられていて、ステンドグラスのように美しく煌めいた。
 小さな住宅型から鐘楼をもった教会型までいろいろある。それらは有名建築物を模した風でなく、どこか絵本で見る様に生活感のないものだ。しかしこんな家に住みたいと思わせられる美しいものたちだった。政治や経済に引っ掻き回されて無惨な姿になった我らの都市景観だが、そうしたものに対して立ち向かったのだろう表現者の気迫も伝わってくる。作家は2007年家庭画報大賞を受賞したと小さな声で語ったけれど、[夢のある美しい暮らし]作品募集での最高賞受賞は十分納得出来た。店主が審査員でもやはり二重丸を献上したに違いない。企画展示の会期は18日までだが、その後もギャラリー常設の予定。
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