下流人

 これも労災の一種、とにかく活字無しでは眠れない。そこで本棚からテキトウなのを選んで寝床に持ち込むことになる。昨夜は光文社新書の三浦展著「下流社会」だった。こんな本があった事すら忘れていたので儲け物した気分でパラパラめくったが、内容は消費社会論とあり、労働とも連関していて、このところの店主関心案件。
 著者は「ファスト風土化する日本」を世に問うたマーケテイングの専門家だ。戦後の日本社会、とりわけ高度経済成長時代に構成された中流が解体、今や上流か下流かそのどちらかに吸収され始めたと説き、下流とは所得が低いというだけでなく、コミュニケーション能力はじめ、働く意欲や学習意欲や消費意欲など総じて人生への意欲が低い、故に所得が上がらず未婚のままでだらだら歩き、だらだら生きてるものが少なくない。つまり、それはその方が楽だからだ、と論じているのである。
 冒頭に設問がある。
1・年収が年齢の10倍未満だ
2・その日その日を気楽に生きたい
3・自分らしく生きるのが良いと思う
4・好きな事だけして生きたい
5・面倒くさがり、だらしない、出不精
6・一人でいるのが好きだ
7・地味で目立たない性格だ
8・ファッションは自分流だ
9・食べる事が面倒くさいと思う事がある
10・お菓子やファストフードを良く食べる 
11・一日中テレビゲームやインターネットをして過ごす事がよくある 
12・未婚である(男性で33才以上、女性で30才以上)
 ...という設問だが、そのなかで半分以上当てはまるものがあれば、あなたはかなり「下流的」である、のだそうだ。店主は驚いた、12は別にしても殆ど当てはまる。下流という言語感覚には恐れ入るが、それではその上流とやらを想像したくなる。きっと我欲の権化であり、なりたくもないし友人にしたくもない様な種族だろう、とヒガミ目半分思うのである。 この本は今時の若年層に関する論考だろう。だが店主も現在に至るまでこうした価値観で生きてきたのも事実だ。「だらだらと...楽な方むいて」下流人を目指してたのを知って、いささか呆然となる。ただ、この本の出たその時代背景だが、小泉内閣の自己責任政策に重なるわけ、政治責任を時代のムードにおっ被せた体制擁護モノということである。何でも政治のせいにするワケじゃないが、そう考えれば気は休まる。
 画像は、今日の陽気でますます縮んだスノーマン5号
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