2014年5月アーカイブ

大阪に行って...

 大阪に行ってきた。市立大学大学院創造都市研究科で講義するためだが、有り体に言えば学生諸氏のために研究材料を出前した様なもの。昨年に続き二度目、およそ3時間パワーポイント使い乍ら店主の体験した函館を紹介し、多くの鋭い質問にどうにか答えてきた。
 体験や経験など誰にでもある事だ。店主ごときのそれが、大志を抱く青年諸氏に何を届けられたかを思えば不安も感じるし、ワルノリと言われればその通りかもしれない。だが店主の密かな目的は別にある。実は余った時間にはF塚担当教授の「関西圏怪しき地区探訪」というオプションが付くのだ。教授は世界の都市を訪ね歩いた斯界の大家であり、都市の成り立ちやその変遷、個性などを研究して来た人だ。前回もだったが、そんな教授の案内で酒蔵を訪ね歩き、空堀地区長屋の超ヒューマンショップに辿り着いたものだ。
 この度も多くの!!!を御案内いただいた。福島区の築80年、メリヤス(漢字に転換できないが...)会館という何とも魅力的なビルや、阿倍野区の文化財指定寺西家長屋や、そして南蛮貿易の名残漂う堺にまで足を延ばして来た。戴いた土産でずしりと重くなった店主バッグだが、今回もまた教授が運んでくれた。にょきにょき立ち上がる摩天楼の下で健気に生き残る、そんな大阪人のやさしい営みが心に迫った一泊2日だった。
画像は去年も泊まった梅田のホテル16階の窓からの月
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江差塗り工房展

 大いなる繁栄の記憶は建築物に宿ります。時代を経て解体されたり朽ちたりするのも木造建築の宿命ですが、それを今に再生しようというのが江差塗り工房の活動です。百年単位で生きながらえた建物達の立派な部材を、やさしい匠の技で別用途に仕立て直し、自らが育て採取した漆樹脂で塗装した家具達が今年も揃いました。江差の五月は江戸にもないと囃された栄耀栄華が生き変えるわけです。きっと「良いものだけが蘇る」、そんな時代なのかもしれません。
会期 は五月いっぱいです。
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出会い、一瞬...

 これは昨日水曜日のこと、定休でもあり旧大野町の枝垂れ桜見物に出かけて来た。GW期間に休むほど余裕のあるギャラリーじゃないが、しかしサクラは生ものであり、道内最高齢の名物満開桜を見逃す訳に行かない。間抜けな人類のせいでサクラの遺伝子も狂い、明日にはどうなるか解らないし、見られる方もだが見る方だってレジェンド物件だ、お互い見られるうちに見ておこうという次第。まさに「今を楽しめよ」である。
 隣町との境界あたりで一人の自転車青年を見かけた。運転手つき軽自動車の後部座席から前を走る後ろ姿が目に入ったのだ。纏った毛皮ベストが際立ってて、それはヒョウでもなければミンクでもない、どこか秋田マタギ愛用のイヌ毛皮を思わせ、それがまた着用するブーツとコーデネイトされてるではないか。追い越す時、真横から見たその風体の怪しささに「ただ者じゃない」のを感じたが、ブレーキを踏む立場になく物件はすぐ後方へと消えた。
 運良く信号停止中に背後を振り返ると、毛皮サイクリストは間近に迫っていた。デジカメ構えると同時に信号が変わりクルマの列も動き出す。急ぎシャッター押したが、レンズに気がついた彼はコチラにむかって親指をたててはいポーズ。そしてすぐに距離は遠ざかって行き、結局そのままだった。まさに一瞬の出会いだった。
 だから彼が何者なのか全く解らない。全国行脚中なのか地元在住なのか、目的やら人生観やらいろいろ聞きたいがそれは出来ない相談だ、ただ不思議な自転車青年とすれ違った記憶だけが残った。
 そうそう、肝心の枝垂桜だが、丁度見頃でそれはそれは見事でした。
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花咲き、鳥啼き、テニスも始まる

 連休たけなわの函館は、満開の桜が真に見事だ。神の配剤というのだろうだろう、大型連休と桜の開花とがピタリ一致する幸運な都市が函館で、そこに桜前線を南から「追いかけてくるヒト」や、北から「出迎えに来るヒト」、それらを迎え撃つ地元民らが入り交じり実に豪華絢爛である。函館公園や五稜郭公園、それに今やすっかり定着したT村邸前などなど、店主も一通りお花見名所パトロールをすませた。そこここデジカメ桜画像もあるけれど、FBなど見れば溢れそうに咲き乱れてるので、今日の画像は今朝初出勤朝練テニスの様子を紹介する事にした。タンポポやモクレンも花開き、見上げる函館山山腹にはヤマザクラがかすみ、ウグイスの鳴き声も間近かに聞こえてた。
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