I left my heart in scotland

 ヒマとオカネに多少余裕ががあった頃だが、ギャラリー店主は思い立って英国を訪ねた。英語が話せて、10日くらいの日程でそこそこ回れる外国と言えば彼の国しか思い浮かばなかったのだ。格安チケットで シベリア上空を12時間も飛び続けたあと、北海辺りから次第に高度を下げる機から見下ろす緑の大地は絵本のように美しかった。行ってみて分かったのだがイギリスという国など存在せず、あるのはユナイテドキングダム、つまり連合王国「グレートブリテン」であった。大英博物館やコベントガーデン、ドックランズなどイングランドを巡り歩いたが、「インバネスは綺麗ななマチだ」という知人の言葉を思い出し、ブリテイッシュレイルでスコットランドへ向かった。鉄道は英国発祥、車両デザインも美しく静かで快適だった。
 とある鉄橋を越えたあたりだが、車内に歌声が鳴り響いた。乗り合わせた少年達が一斉に立ち上がり唄いだしたのだ。scotland oh scotlandと聞こえたが、その一曲唄い終えると車内はもとの静けさに戻った。どうやらスコットランドを讃える歌らしいが、格別指導者らしき姿はなく極めて自然で自発的精神の発露に思えた。その時はエデインバラで降りて一泊したが、スコットランドポンドに出会い、翌日、今度はスコットレイルでインバネスに向かったけれど、"連合王国"の微妙な内部事情を知らされた旅だった。あれから20年になる。最近独立の可否を決める選挙が行われたかの国のニュースを見てると、オトナになったあのときの少年たちが思い浮かぶ。
 画像はスコットランドの国花アザミだが、これは函館山山頂の要塞跡に咲いてたもの。
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