横山朝覧 皮革工芸展

 函館からおよそ2時間、断崖絶壁の下をくねくね津軽海峡に沿って走ると知内町小谷石にたどり着く。そこから先は太古未開の地つまり行き止まりで、さしもの道路行政も道路延長の意思放棄した末端集落である。その先には当然コンビニもガソリンスタンドもなくてモモンガやヒグマたちの王国、いったん崩落事故でもあれば文明社会から孤立してしまう小さな集落なのだ。横山さんはそんな地にひとりで暮らしている。
 工芸家の特権は自分の好きな場所で暮らせることだが、ここで言いたいのは横山さんの選んだ土地のことではない。文明と野生との接点に住みながら、我が国唯一の皮革工芸公募展で「東京都知事賞」「通産大臣賞」「経済産業大臣賞」「第30回記念日本皮革工芸大賞」といった数々の重賞を総ナメしてきた事実の方だ。そこに至るまでの沢山の物語があるけれど、とにかく横山さんの久しぶりの作品展がギャラリーで始まった。カバンと油彩画の小規模展だが沢山の方にご覧いただきたい。
「横山朝覧の皮革工芸展」は11月30日まで
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