2015年2月アーカイブ

平常に戻りました

 平常とは何かと問われると困るが、店主脳が異常活性化するのは毎年2月だ。ほぼひと月かけ、朝から晩までひたすら原稿を読みまくる生活である。幻想がテーマで常識外の想像力跋扈する世界を、短編とはいえその数1000以上とおつき合いさせてもらうのである。昨日、その仕上げ作業が海峡の向こう側のうらうら柔らかな陽の射す事務所で開かれ、最終列車のタイムリミットまでみっしりと過ごしてきた。途中退席でなんだか脱走兵の気分だったが、とにかく店主は阿修羅のごときお役目をなんとか果たし終えたのである。
 20年続けたのでその総数は2万編になるか...などと深夜急行列車の座席で感動めいたものが生じたけれど、しかしだからと言って店主脳が鍛えられたわけでもなくて、これまたいつものように優しきお心つかいのハイネケン飲みながら気持ち良く海峡を越えて平常に戻ってまいりました。
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ゆきのまちの...

 道東の羅臼町一帯が猛吹雪だという。大人一人がすっぽり隠れるほどの雪が一夜にして積もったらしい。あのあたりでは数年前にも、吹雪の中を走行中の車が二進も三進もいかなくなり、隔絶された車内に閉じ込められて悲劇的な結末に立ち至った父と娘がいた。やり場のない怒りだったろうし、恐ろしかっただろう、そんな親子のそれを想像すると胸が締め付けられる思いがする。
 話は違うがこの時期、ギャラリー店主は文学に没頭する。といっても自ら創作するわけじゃなく、全国各地に居住する1000人ほどの人が表現する「雪と幻想」に関わらせて頂いてるのだ。朝から晩まで、時には布団の中まで持ち込んでの応対だが、今朝ほどよろめくように300番台までたどり着いた。狐や雪女や妖怪など登場したりするが、生命の危険はないとは言えとにかく25日までにあと700編もあるのだ。猛吹雪のなかの一本道は果てしなく遠く感じる。
そんな2月のギャラリーは「ゆきのまちの白い陶器磁器 展」が開催中だ。佐藤瑠璃子、高井秀樹、三浦千代志という函館を代表する3人に出展を依頼したが、共通するのは「人生を焼き物に注ぎ込んだ気迫」と「白」だけである。たいへんな荒れ模様のニホンであるけれど、だからこそ必要なのは縄文時代から受け継いできた「焼き物魂」かもしれない。
開催期間は2月末日まで。
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