平常に戻りました

 平常とは何かと問われると困るが、店主脳が異常活性化するのは毎年2月だ。ほぼひと月かけ、朝から晩までひたすら原稿を読みまくる生活である。幻想がテーマで常識外の想像力跋扈する世界を、短編とはいえその数1000以上とおつき合いさせてもらうのである。昨日、その仕上げ作業が海峡の向こう側のうらうら柔らかな陽の射す事務所で開かれ、最終列車のタイムリミットまでみっしりと過ごしてきた。途中退席でなんだか脱走兵の気分だったが、とにかく店主は阿修羅のごときお役目をなんとか果たし終えたのである。
 20年続けたのでその総数は2万編になるか...などと深夜急行列車の座席で感動めいたものが生じたけれど、しかしだからと言って店主脳が鍛えられたわけでもなくて、これまたいつものように優しきお心つかいのハイネケン飲みながら気持ち良く海峡を越えて平常に戻ってまいりました。
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