函館の時間展

 場所が変わったからといって時間に違いが生じるわけじゃない。それは実際そうなのだが、店主の経験では「函館では時間がゆっくり流れてる」とはっきりおっしゃる方がとても多い。それが比喩にすぎないと知りつつも、函館には特異なる時間が存在すると思い込むのもまた仕方がない。
 そんなわけで、宮沢賢治シリーズで名高い山猫博士の佐藤国男さんに木彫時計を製作してもらった。それはコンマ0000などという不必要なくらいの正確さとは正反対にあるもので、だからといっていい加減ともいえないほどの実用性を備えた時計だ。あれから数年になるが、ニホン銀行Y澤支店長さんはじめ多くのファンを持つに至った。作家谷村志穂さんの御用達でもあり、その言葉を借りると「...いい時計だな、と思った。木のぬくもりといい、そのファンタジーの含まれ具合といい、時計という約束事が、嘘のような、本当のような、時が幾倍にもゆっくり進んでいくように感じられるその時計は、いかにも函館の町によく似合っていた...」(角川書店 谷村志穂著「空色水曜日」より)。
 函館にやってくる人や函館を離れる人に強くオススメしたい時計展は今月いっぱいの開催です。
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