2016年5月アーカイブ

ワーズワースは...その2

風が少しあるけれどやはり美しき五月の函館です。で、今日もワーズワースについて少し...。
昨日読んだ彼の"Daffodiles"にも、岸辺の水仙を眺めて『歳を経て足腰立たなくなった時に、安楽椅子で感動を呼び覚ますそんな水仙たち!」と素 朴に自然を讃えます。それがロマン派のロマン派たる所以、ひとえに褒め称えるべき自然があったという事実が尊いわけ。その後、地球は災厄まみれになってし まうが、そんな現代から振り返ると「美しいものはいつまでも存在しないよ」と詩人は言いたかったのかもしれない。ピーターラビットの故郷、ナショナルトラ スト誕生の地であるレイクデイストリクトの一角に忌まわしき核燃料処理施設をつくり、あろうことかその廃液の始末が絶望的状態にあると聞く。それは地球の こちら側でも同じ状況なわけで、ワーズワースは案外そんな時代を予言してたのかもしれないな、と思えてくる。

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ワーズワースは...

The Daffodils
William Wordsworth

I wander'd lonely a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,A host of golden daffodils,
Beside the lake,beneath the breeze.

Continuouse as the stars that shine
And twinkle on the milky way,
They stretched in never-ending line
Aling the margi of a bay:
Ten thousand saw I at a glance
Tossing their heads in sprightly dance.

The waves beside them danced,but they
Out-did the sparkling waves in glee:
A poet could not be but gay in such a jocund company!
I gazed-and gazed-but little thought
What wealth the show to me had brought.

For oft,when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills
And dances with the daffodill[s.

もうはるかな昔、湖水地方で、雨に降られて飛び込んだのがワーズワースのダブコテージだった。小さな部屋は他にも雨宿りする人でざわついてた。中程に粗末 な空き椅子が一つあり、疲れてた店主は無意識にそこに座った。途端に係員の叱責があり、座ると同時に飛び跳ねたのを思い出す。
そんなわけでワーズワースとのお付き合いはその「瞬間」しかないけれど、雨の上がっ英国国教会の水仙見てたら、ワーズワースを読む気になった。どなたか翻訳してくれると助かる。

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大三坂の椿

夕闇迫る頃、坂下の小村酒店まで出かけた。角を曲がり、カトリック教会のすぐ隣になるのだが、途中に、関根陽太郎が設計したとされる洋館がある。かって、思想家が子供時代を過ごした場として有名で、今はもう何年にもなるが無人だ。玄関先を覆い尽くすように紫陽花が群生している。洋館のベイウインドウからはピアノ曲が流れ、おしゃれな元町を象徴する建物だったと聞いたことがあるが、立ち止まって見上げると分厚いレンガ塀の上から椿がいくつもの花を咲かせているのが見えた。
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今年も...江差塗り工房展2016

古材資源再生の先駆け「江差塗工房展」が始まります。未曾有の繁栄を誇った"日本海のジェノヴァ"こそ江差、百年単位で人々を見守り続けてきた建物部材に 刻み込まれた豊かな歴史記憶が、椅子や机に姿を変え、漆をまとって現代によみがえりました。会期は明日から5月いっぱいです。
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